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    『雨のはて-Merci and Lalatwo-』


    あの日を忘れない。

    あなたと過ごした14日間は,

    永遠の一瞬となって、

    今もわたしの心の中に生き続ける。


    願いは叶わなかった。

    あのひとには二度と逢えず、

    ひとり、涙に濡れた。


    それでも時は、静かにわたしを癒し、

    優しく包む羽となり、

    いつしかわたしは知った。


    あなたがわたしにくれた、たくさんのたからものを。


    輝く宝石がちりばめられた、

    オルゴールのような、愛しい日々。

    海岸できらめく、銀の砂のような、

    胸のときめき。


    そして・・・この胸をぎゅっと掴んで離さない、

    誰かを想う気持ち。


    それはあたたかで、かけがえのないひかり。


    あなたと過ごした一瞬一瞬が、

    たわわに実り、輝くぶどうとなって、

    わたしの人生を照らし、生かしてくれた。


    あなたはわたし。

    もはやふたつではない。


    あなたは・・・わたしの心のなかで、

    いつまでも消えない明かりとなって、

    すべての終わりを濡らす涙と、

    すべてのはじまりを祝福する、

    喜びを与えてくれたのだ。


    あなたのいない世界では、

    今日も星の雨が降る。


    あまねく願いのほとんどは、

    こうして叶わないままに、消えてゆく。


    それでもあなたに出逢えたことは、

    きっと神さまがくださった、贈り物≪ギフト≫なのだ。


    だから、わたしは今日も祈る。

    あなたがどこかで、生き続けることを。

    ―それは愚かな願いだとわかっているわ。

    けれど、あなたはきっとどこかに存在する―

    ・・・そんな気がして。



    いつか、あなたに言いたいことがあるわ。

    もうすぐ、娘に子どもができるの。

    かわいいわたしの孫。

    名前はもう決まっている。


    ―ララツォ。

    あなたの名前を勝手に借りたら、

    怒られるかもしれないわね。


    ( もう、メルシー!ぼくはもうここにいるでしょ!

      ちゃんとみてよ、ほら―
      
      今さわった。今きみにさわったよ! )




    ―ああ。視界が虹色に染まる。
     


    あなたはもう、こんなところまで、

    迎えにきてくれたのかしら・・・。


    ―ララツォ・・・。

    愛しい、わたしの友だち。


    あなたにみせたいものがあるの。

    このしわくちゃな手に掴んできた、

    幸せの物語を、あなたに教えたい。


    あなたのくれたもの、

    わたしも少しは返せるかしら・・・?





    ―ああ、懐かしい声が聞こえる・・・。




    微笑むと、ひとしずくの雨が、頬を伝った。







    わたしはもう一度、あなたに出逢う。

    まっさらな粉雪のように、

    無垢な子どものまま消えていったあなたは、

    なにものでもない、わたしのはんぶん。



    ―今、わたしは飛び立つ。

    あなたのくれた、

    翼のかたほうを、抱きしめながら。




    ・・・ゆっくりと、記憶が巻き戻る―。




    「はじめまして。ぼくはララツォ。
     
     きみの名前は?」
     

     ・・・



    「ふうん、メルシーっていうんだ。

     それぼくも知ってる。「ありがとう」って意味でしょ!
     
     とってもいい名前だね!」

      
        ・・・・・・


    「ぼく?

     うーん、自分の名前以外覚えてないんだけど・・・
     
     とりあえず、世界の終わりを探して、

     旅をしているところなんだ!

     きっとそこに着いたら、すべてがわかる。

     ・・・そんな気がするんだ。

      
         
    「あっ!そうだ、ねえ―」

     
              
       「よかったら、きみも一緒に行こうよ!」
     

                   
                        ・・・・・・・・・・・・ 







    「・・・うん!わたしも行く!だって・・・。」
     

                   
                                              ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




               
        「  ・・・とってもとっても・・・、

            おもしろそうなんだもの!! 」





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    03

    雨のはて-Merci and Lalatwo-

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    「―わかったよ。わかったんだ、メルシー。」

    「なに・・・?どうしたの、ララツォ・・・?」

    メルシーは、ひっく、と泣きながら言った。

    ((僕が、僕自身が「ラヴ」で「フェイト」なんだ―))

    そう言いながらララツォが光に包まれていくのをメルシーはみた。

    愛あるところに、憎しみはある。
    ひとりひとりに「ラヴ」はある。
    ひとりひとりが「ラヴ」であり「フェイト」。

    光の粒がララツォの足を、指を包み込み、ほどいてゆく。

    いやだ、いかないで、とメルシーは言った。

    ぎゅっとつかんだゆびさきの感覚がなくなって、輝く光に消えてゆく。


    “メルシー、僕はね。”

    とうとうすべてが塵のように空に消えてゆく。

    でも、最後のひとことはちゃんと届いた。

    “きみに会いにきたんだよ・・・”

    メルシーは泣いた。わんわんと声にならないおえつを繰り返した。

    確かにララツォはそう言ったのだ。

    そうして、一粒の光もなくなって・・・雨は降った。

    ぽつりぽつり、とメルシーの心のなかに。


    27

    アルカンシエル~祝福の虹~

    自分が醜いって知ってるよ―。

    自分が弱いって知ってるよ―?


    ちいさな翼折りたたんで

    終わらない夢をみる


    震える睫毛に宿る雫
    月下の花
    孤独なこおろぎ


    それでも明日を望むなら

    この声枯らして叫べ



    今力をこめて

    晴天の向こう

    タイヨウを目指せ。


    ((そんなきみに告げる))

    物語は終わらないけど、永遠の苦しみなんてない


    ((そんなぼくに告げる))

    そこに希望がある限り、過去は必ず未来を待つ。



    ふたつが重なる奇跡を求めて

    伸ばした手の先

    唯白の光降り注ぐ



    いつか伝えたい歌がある

    そのときはきみの目をみつめて

    そのちいさな手を温めよう


    ちいさなキスは祝福のしるし

    水色の雨が降るなら

    その背に

    虹をかけて

    あの歌の続きを



    眠れるきみの髪をなでながら

    懐かしいページをめくる


    『アルカンシエル』

    それは遠い約束の調べ

    『アルカンシエル』

    それはちいさな翼の物語



    過去と未来が重なり

    恵みの光降り注げば

    そこに永遠がみえるはず…



    (七色の架け橋を見上げきみと飲んだココアの味)

    (少し冷たい冬の風に、その光はまるで未来へと羽ばたく翼の軌跡のようで―)

    (そっとため息をつき、口元をほころばせた)


    (幾千の苦しみが降るとしても構わない―)

    (きっとふたりなら、すべてが叶う。)


    (あの空の果てに、いつかきみと行こう。)

    (それはまだずっとさきの話だけれど―)


    (きみの掌に、涙も溶けた)

    (ああ、なんてあたたかい―。)



    (( 『 僕の祝福の虹(アルカンシエル) 』 ))
     


                              
                                  Jhon Maxwell
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