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    『サンクチュアリできみとダンスを 第五話 サンクチュアリで林檎パイを』

     学校帰り、わたしは林檎パイの材料を買った。

    蜜のつまった新鮮なりんご、昨日のクッキーで使い果たした小麦粉、

    輸入物の芳醇な香りのバター…後は残りを使えばいい。

    久しぶりのお菓子作りに、胸が高鳴る。

    自制しないと、鼻歌まで出てきてしまいそうだ。

    別に久しぶりに作る手料理を誰かに食べてほしいとか、

    そんなんじゃなくて。

    それでも、あの腹ぺこに食べさせてあげる林檎パイは、

    たんと美味しくなきゃいけない。

    気がつくとリズベットの唇は、ふんわりと緩んでいた。

    自宅に着き、花のアーチのついた玄関をくぐる。

    「ルカー?」

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