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    『夏芽楽団交響曲 練習曲      <エチュード>第1番“人形姫”』




    「…わね。とわねって呼んで」

    無表情で、ぼそっと、呟いた。

    機械的な棒読み。だけど確かに彼女は呟いた。

    唯音が目を見張る。

    「…驚いた…。永遠音がしゃべるなんて。

     もしかして君は、夏芽を気に入ったのか?」

    …再び沈黙する永遠音。俯き、棒立ちのまま微動だにしない。
    白く輝くなめらかなブロンドが、さらりと音を立て、
    銀色の瞳は、もうなにも映さない。
    まるでこときれたアンドロイドのよう―。

    「彼女のバッテリーは、もしかしたら夏芽なのかもしれない…」

    唯音は、後に語る。


    それは、未来へと続く、虹色の練習曲<エチュード>。

    心を凍りつかせた、バレエ界の星<エトワール>、
    “人形姫”…<永遠音>の物語。




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