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    『夏芽楽団交響曲 “展覧会の絵” ~魔法使いの娘~』

    私は、孤独だった。
    別に、不自由ではなかった。
    誰にもとらわれず生きてゆくのは、気安かった。

    例外はいた。
    たったひとり、私を愛してくれたひと。
    リリカ。
    あなたは私の胸の焼き印をけしてくれ、
    私の守護者になってくれた。

    でも、それは幸福な結末を生まなかった。

    残酷な子どもたちが大人達を支配する昼蝉の世界から、
    抜け出した私は、翼となってくれたリリカから、
    声を奪ってしまった。

    私以外の誰とも話せない。そんな対価があると知っていたら。

    いや、それでも私はきっとリリカに甘えてしまっただろう。

    リリカにとっての私は、命の恩人で、唯一の存在だった。

    それは、ちっぽけな私には重すぎた。

    私にはきっと誰も愛せない。
    その資格がない。
    リリカ以外に愛されることすらも罪だと思った。

    私は、もう、なにも奪いたくないのだ。
    地獄のような昼蝉の世界から解放されただけよしとしよう。
    この朝顔の…美しい世界にいられるだけで。

    彼らをみつめているだけで、じゅうぶんに、私はしあわせだ。

    そんな世界に、その子は現れた。
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