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    02

    『夏芽楽団交響曲 “秘密”』

    「彼女は他と違うわ。いつも凛としていて…
     まるで、あたしたちとは違う世界をみているよう」

    ここにいるのに、どこにもいないような…
    神秘的で、知的で、特別な存在。

    「だから、恋なんかじゃないわ。
     あたしは、あの子に惹かれ、羨望をこめてみつめているだけ」

    静かに、唇に弧を描く。
    この気持ちは、誰にも奪えない。
    だって、一生この胸に秘め続け、決して穢さないと誓ったから。

    「…それでも、すきなんでしょ?」

    夏芽は、ふんわりと無邪気な目つきをした。







    ひっそりとした声は、いつものやかましさが嘘のようで、
    内緒話をしているようなくすぐったい気持ちが、

    さらさらとなだれ込み、一瞬の風のように消えたあとも、
    胸にかすかな香りを残した。

    「…そうよ。悪いかしら?」

    「…ううん」

    すっごく素敵、と夏芽は笑った。
    その春の花の蜜みたいな笑みに、あたしは少し気後れする。

    …なるほど。あいつが惚れるのもわかるわ。

    あたしは苦笑すると、そのちんまい頭をなでた。

    「…あんたにはわからない話よ」

    そう、本当の気持ちは、最後までとっておく。

    ぴょんぴょんとしたポニーテールが、疑問そうに揺れるので、
    あたしは柔らかそうな小麦色の頬をつまんでやった。

    「生意気」

    ―本当にね。






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