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    『4の断章』 第2章“朝顔” 『夏芽楽団交響曲』


    やあ、また会ったね。

    え?お前は誰だ、だって?

    さては、前回の僕の話を忘れてしまったのか。

    まあ、僕の事なんてどうでもいいだろう?

    ―さて、せっかくだし、第2の世界、<朝顔の世界>の話をしようか。

    愛と音楽に満ちた“朝”の世界…。

    まるで、「愛情の絆 」「固い約束」を意味する、
    あの朝顔の花の名にふさわしい美しい世界だ。

    彼らの生き様もまた同様だ。

    あまねく願いのほとんどが、
    女神によってたやすく叶えられるその世界で、
    彼らは自分ではなく他人の為に約束をする。

    その約束を破れば、自分は死んでしまうというのにだ!

    なんと、美しく、崇高な愛だろう!

    僕はこの<朝顔の世界>をとりわけ気に入っている。

    あの“夜の夢”の世界<常闇の世界>より、
    いくぶんか依怙贔屓(えこひいき)をさせてもらったぐらいだ。

    ―え?ずるいって?

    いやいや、言ったろう?
    僕達はとうに終わりきっているのさ。
    これくらいの道楽は許してほしい。

    …さて、話を戻そう。
    ふたつの世界はどの様に違っているのか?

    それは君達の目で確かめてみて欲しい。

    いやいや、それにしても、この世界は実に面白い。

    美しく、厳しく、時に驚くほど奇跡的だ。

    それは君達の世界でも例外ではないだろう。

    いいや、違うって? 醜く、冷たく、絶望的だって?

    ―とんでもない。
    それは君の脳が捉えた虚像にすぎない。

    色眼鏡をかけて見ず、もっと世界を、他人を、
    そして他ならぬ自分をみつめ、愛してみたまえ。

    そう、この朝顔の世界のヒロイン、<夏芽>のように。

    彼女は人よりずば抜けて明るく、他人の気持ちがよくわかる。

    それを抜きにすれば、
    取り立ててどうということもない、“普通”の少女だ。

    まあ、少なくとも表面上は。

    僕の言いたいことは、
    この物語を読んでみればきっとわかるだろう。

    さあ、次のページをめくってくれたまえ。

    今度の世界は、前の世界とはまた違ったフレーバーで、
    君達を楽しませてくれるだろう。

    え、クーリングオフは受け付けているのか、だって?

    残念ながら、返品は できない。

    そう、君達の人生のように。
    どんなに願おうが、どんなに嘆こうが…やり直しは不可能だ。

    ただし、自分の命をかけて、“約束”したらどうだろう。

    そう―自分のためではなく、
    誰かを救うために、その儚く短い命を燃やしたら。

    きっと、世界はたちまち色を変え、
    運命の女神も微笑むことだろう。


    そんなこと簡単に言うな、だって?

    ごもっともだ。
    僕が君の立場でも、そう言うだろう。

    ただし、君がもし本気で誰かを愛したなら…。

    自然に、運命的に、必然的に…そうしたくなるはずさ。

    …おっと、長々と語りすぎてしまったようだ。

    さて、果たして、朝顔の世界はどんな願いを叶え、
    最後になにをもたらすのか。

    それは、君自身が見届けてくれたまえ。

    さあ、扉を開けよう。

    では、またしばし、お別れだ―…。




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