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    『鏡の森のエトワール』~第12話 “死のもとに舞う”~

    「なぜただの月光蝶(げっこうちょう)がこんな力を…!」

    ざわり、と血が騒ぐ。
    蝶達が乱舞(らんぶ)し、彼らに触れる。

    「ちがう」
    ぱきん。
    乾いた音と共に彼ら魔物達は粉々に砕けた。

    「…ぼくは、グンジョウだ」







    ペンダントを握り、ぼくは静かに俯(うつむ)く。
    中身は魔王の目玉だ。

    月光蝶は弱い。
    美しく珍しいがゆえ、狙われやすい。
    だけど、この魔王の身体の一部に宿った魔力は、ぼくに力を与える。

    わかってる。
    あのとき魔王が、わざと抵抗しなかった理由。
    きっと、ぼくを殺したくなかった。
    永遠音に恋したぼくを、ライバルとして…認めてくれていた。
    ぼくを守るために、身体の一部をたくした。
    そして、帰る場所を作ってくれた。

    でもそんな情けが欲しいなんて、誰が言った?

    誰に情けをかけられたっていい。
    利用して生き抜くぐらいなんてことない。

    だけど、魔王には、そうされたくなかった。魔王にだけは。
    そう、永遠音のことがなくたって、
    ぼくはいずれ魔王のもとから去ったろう。

    ペンダントを握りしめる。

    「あんたは馬鹿だ…」

    きっと優しいあんたは、ぼくに殺されたって、憎んだりしないんだろう。

    だからぼくは、魔王のもとには帰らない。

    それがぼくにできる、最初で最後の仕返しなのだから。






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