--

    スポンサーサイト

    スポンサー広告 comment(-) trackback(-)
    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。
    03

    『鏡の森のエトワール』~アフターシンフォニー~ “マリアージュには早すぎる”

    「ねー、魔王。わたし達、つきあってるんだよね?」

    「―ああ」






    恋愛ドラマの真似をして問いかけると、
    魔王は書類をさらさらと書きながら答えた。

    (魔王がマンガみたいにイスにふんぞりかえってるわけじゃなく、
     地道なデスクワークをしてることを最近知った。…ちょっと驚いた。)

    「わたしは魔王の花嫁なんだよね?」

    「―そうだ」
    さらさら。

    「…じゃーなんで、キスとかしてくれないの?」
    クッションを抱きしめ、ジト目をする。


    「―魔王は、今年で五百才だ」

    「…うん」

    唐突(とうとつ)な発言だけど、
    いつものことなので別に驚かず、わたしはうなずく。

    「…魔王にとっては百才の人間ですら、赤子に等しい」

    「うん…ん?」

    なんか、嫌な予感がしてきた。

    「だから、私は、おまえが育つのを待つことにした」

    「えーっ! わたし、おばあちゃんになっちゃうよ!」


    「―うんうん。だから、私はおまえがおまえの所属する世界、
     国の基準でいうところの、“せいじん”まで待つことにしたのだ」


    「それって…永遠音を大人にしてくれないってこと?!」

    ぶーっととふくれっつらして、 魔王をにらむ。

    「なにを言っているのだ。
     私にとっておまえは雛(ひな)、いや卵に等しいのだぞ。
     おまえがまともに育つまで、食指(しょくし)がわかん」

    (―ま、魔王って…!!)

    (古典的!  旧世代的!
     ぺきん原人!! 古代遺跡のオーパーツなみ!!)

    いっそうぷりぷりとして、
    魔王の代わりにクッションを足蹴(あしげ)にしていると、

    「なにを怒っているのだ? 挙式はしないほうがいいのか?
     式場は城でないほうがいいのか? ハネムーンは異世界派か?」

    なんてしきりにズレたことをいうので、わたしは言ってやった。

    「―魔王なんてもう、大きらい!!!」

    しんじゃえ!! と、わたしは魔王の顔に、
    ぺしんと渾身(こんしん)のいちげきを放ったのだった。


    ―結論。
    魔王はド天然のあほあほ朴念仁(ぼくねんじん)。
    つきあうととても疲れる。
    ―あんまり調子のってたら、今度実家に帰ってやろう!



    そんな風に決めた、ある日の午後なのでした。





    ☆★ランキングに参加しています!★☆
    ↓ぽちっとクリック・拍手・コメントなどいただけると、
    とっても励みになります!






    関連記事
    スポンサーサイト

    comment

    post comment

    • comment
    • secret
    • 管理者にだけ表示を許可する