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    01

    『ミッドナイト・ロストサマー』 -3.“鉄拳交際”-

    チカは星をみるのが好きだった。
    海岸沿いで、あたし達は冷たい風になぶられながら、星を見上げる。
    そんなとき、きまって口数は少なくて、でもそれが心地よくて。

    そんなある日、チカがいった。

    「約束なんかいらねぇっておもわねぇ?」

    「――なにそれ」
    「織姫と彦星」

    「――ああ。あれね」

    あたしは気のない返事をした。

    「そんなんなくなくたって、会いにいけばいいんだよ。
     カミサマが邪魔すんなら、ぶっとばせばいい」

    「――なにその鉄拳制裁」
    あたしは少し笑って隣に座るチカをみた。

    「鉄拳制裁か。いいな。運命変えてやんだよ。力づくで」

    「ふーん……」


    「――そしてはじまる鉄拳交際」

    「いや、殴り合ってどうすんの。抱きしめあうんじゃないの?」

    「それは場合による」

    なにそれ、とあたしは笑った。
    カミサマをぶっとばして、運命をぶんなげる。チカらしかった。

    だから、あたしは気づかなかった。

    チカが本当にぶっとばしたかったモノに。
    チカの押し込めた闇に。

    チカの真実の物語に。






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