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    『ミッドナイト・ロストサマー』 第二章―施設<オルタナティブ・ダークナイト>編―序 

    この町の隣には、施設、と呼ばれている場所があって。







    それは犯罪を犯したガキや、問題のあるガキを、
    まとめて押し込んでいるような場所だった。

    誰もが存在を知っていて、
    知らないふりで腫(は)れ物扱いをするその場所は、
    あたしにとっては、内心小さくない恐怖の対象だった。

    いわく、人体実験をしてるだとか、
    いわく、電気ショック療法で何人も死なせたとか、
    黒い噂がたえないその場所は、あたしでなくてもそうだったろう。

    誰も彼もが、避けていた。
    冗談めかして揶揄(やゆ)しつつも、恐れていた。

    けれど、あたしは自分が良い人間だとは思っていなかったし、
    犯罪を犯すようなどうしようもない奴らが、
    自分とたいして変わっているとも思えなかった。

    だから、チカが施設の人間だと知った時、実はそれほど驚かなかった。


    いや、ちょっとは、本当はかなり驚いたけど。
    でも少なくとも、チカがおかしいとか、イカれてるとか、可哀想なヤツだとか。


    そんなはた迷惑なレッテルを押し付ける気はさらさらなかった。

    だって、あたしにとって、チカはすでに「特別」で。
    変わりようもなく、「格別」だったから。

    そう、チカは、あたしにとって。



    大切で、格別の。


    ヒーロー、だったんだ。






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